いよいよ子供達が待ちに待った夏休みが始まります。
今年はコロナウイルス感染症の影響で、再びステイホームで過ごされるご家庭が多いかもしれません。
そこでご提案。ステイホームのお供に本はいかがでしょうか?ぽけっとの会では会員の皆さんから「おすすめの本」を募集しました。
ダウン症のある子供たちは成長がゆっくりですが、まだ字や言葉がわからなくてもお母さんやお父さんは読み聞かせをしています。健常のお子さんと同様に、赤ちゃんの時からの読み聞かせは決して無駄なことではなく、親子の関係を育む意味でもすすめられています。
しかしいったいどんな本を読んであげようかと悩むところです。
実際は選ぶ本に健常児との違いはないのですが、ぽけっとの会では「子供が楽しんでくれた」「成長に役立った」といった実体験に基づいたコメントと共におすすめの本をご紹介します。
また、一人で本を楽しめるようになったお子さんむけの本も、ダウン症のあるお子さんのコメントとともにご紹介します。
さらに、きょうだい児に役立った、親御さんがダウン症児の子育てで役立った本もご紹介します。
お子さんにおすすめの絵本
エルヴェ・テュレ (著), たにかわ しゅんたろう (編集, 翻訳)
出版社:ポプラ社
柏原 晃夫 (イラスト)
出版社: 学研プラス
最初はたしか0歳の時だったと思うのですが、ダウン症児の先輩ママさんからお下がりをいただきました。息子は白と黒のコントラストの強いシマシマの表紙を見た途端に目を丸くしてドキドキしていたようです。中身ももちろんページをめくるたびに目をキラキラさせて食い入るように見ていました。彼にとってとっても刺激的な絵本だったのでしょう。この本をいただいて出会えたことにとっても感謝です。
たむら しげる (著)
出版社: 福音館書店
最近何かとオバケが大好きな息子が、やはり好きなオバケの絵本です。いろんなオバケがいろんな楽器をちょっと変わった音でかなでます。楽器の音は読み手の腕と工夫の見せ所です、がんばってノリノリで読んでください。お話はだんだんと盛り上がってクライマックスのみんなで踊るシーンは毎度興奮です。さらにおひさまが来てオバケが逃げ帰るまで大喜び。たむらしげる氏の絵がとっても綺麗で読んでいる大人も気持ち良いです。絵が綺麗という点では同氏の絵本「かたつむりタクシー」が最高に綺麗なのですが、息子の好みはどちらかといえば「オバケ」のようです。
とだ こうしろう
出版社:戸田デザイン研究室
最近のヒット絵本。水族館のショーの一部始終を描写しただけの本で、私は個人的になんだか面白みを感じない本を買ってしまったなと思っていたのですが、息子本人はとってもお気に入りのようで、よく読んでくれと持って来ます。水族館が好きだからでしょうか、自分の生の水族館の記憶と絵本をリンクさせて喜んでいるのでしょうか。各パートで芸を成功させた海のいきものたちに息子と一緒に実際に拍手を送りながら読むと大変盛り上がります。また水族館に行きたくなります。
かがくい ひろし (著)
出版社:ブロンズ新社
だるまさんシリーズは赤ちゃんの頃によく読み聞かせていましたが、文字を覚える頃にSTの教材として紹介されたのをきっかけにまた読むようになりました。一文字ずつ意識して発音を促せて、教材としてもとても良い本でした。
かがくいひろし (著)
出版社:ブロンズ新社
シンプルな言葉とシンプルな話とシンプルな絵で、わかりやすく覚えやすいフレーズです。
言葉がなかなか喋れない頃に、読み聞かせで覚えて、最後の言葉とポーズを覚えて、よく真似してやってくれました。
可愛くてシリーズで購入して3冊読み聞かせてます。
きもと ももこ (著)
出版社:福音館書店
とても優しい絵と心温まるお話です。娘は、絵の中からうずらちゃんやひよこちゃんを探すのが大好きで、「みーつけた!」という言葉をこの絵本で覚えました。
ヨシタケ シンスケ (著)
出版社:白泉社
今のコロナ禍にぴったりの本です。今の状況に、将来に、不安を抱きがちな時代ですが、この絵本を読むと、クスっと笑えてほっこりして、ちょっと安心できます。おばあちゃんの“だーいじょうぶよ”と言う笑顔に救われます。いつも頑張っているきょうだい児にもぜひ読んでもらいたいです。ダウン症があってもなくても、いろんな未来があって、きっとだいじょうぶ!
わかやま けん (著)
出版社:こぐま社
ほっとけーきができるまで、ドキドキわくわくして大好きです
ほっとけーきができるまでの工程がまるで一緒に作っているかのようで、混ぜたり食べたりよく真似をしながら楽しく読んでいました。こぐまちゃんシリーズは本当によく読んでいました。
エリック=カール (著), もり ひさし (翻訳)
出版社: 偕成社
あまりに有名なしかけ絵本なので皆さんご存知と思いますが…読み聞かせの他に
・文章が歌詞になっている歌があり歌も楽しめる
・フルーツを数えることで数の練習ができた
・お弁当箱や水筒などのグッズがあり、入園時に自分の持ち物をすぐ覚えられた
・持ち運べるミニ絵本がある 持っていない時でも病院など行く先々に置いてあるので機嫌が取れる
などなど今日まで随分と助けられました!
あおむしがいろんな食べ物を食べるのが楽しいです。
大きい本、携帯用と2冊持つほど、お気に入りの一冊でした。色合いが綺麗なのと、歌に合わせて読めるので、とても楽しかったようです。
エリック カール (著), Eric Carle (原著), 工藤 直子 (翻訳)
出版社: 偕成社
小学校に入学したばかりの時に授業で使った本です。
授業ではこの本のCDをかけて先生が読み聞かせします。
絵本の中の動物の真似を“できるかな?”と聞かれると“でっきるよ~できる!”とノリノリで歌い動物の真似をする繰り返しが子供的には最高らしいです。
家庭では甘えて泣いて自分のできることをやらない事が多く、そんな時に“できるかな?”と聞くと泣きながら“でっきるよ~できる!”と歌い頑張っていました。
さいとう しのぶ (著)
出版社:ひさかたチャイルド
同じ名前だったので、大好きでした。
主人公がおねえちゃんになる為に、たくさん頑張る話しです。自分と同じ名前で春花も大好きな絵本でしたが、よく面倒を見てくれた春花のお姉ちゃんに読んであげました。お姉ちゃん大変だよねって感謝の気持ちを込めて。
さいとう しのぶ (著)
出版社:ひさかたチャイルド
だっこ大好き!ぎゅっとされるのは好き!
はるちゃん、ねのシリーズです。最初にこちらの本を買って、一緒にぎゅっとしてました。子育てお疲れの時も、この本を読むと暖かい気持ちなりました。
宮崎 駿 (著)
出版社:徳間書店
メイちゃんがかわいい
絵が可愛くて字が読めなくても楽しめると思います。
キヨノ サチコ (著)
出版社:偕成社
ねるまえによむよ
主人公のノンタンは夜眠れず
お友達の家を訪れますが
みんな寝ていてばかり。
つまらないノンタンはその後、、。
寝る前の読み聞かせで良く読んでいます
ノンタンシリーズは他にもあり
小さいサイズでお子さまの手で持ちやすいと思います。
なかがわ りえこ (著)
出版社:福音館書店
どうぶつがたくさんでてきておもしろい
谷川 俊太郎 (著)
出版社:文研出版
この本は擬音だけしかでてこないのですが、読み方で、とても想像力がかきたてられます。言葉の理解がまだまだのちびっこでも、音で、なんだかわくわくしちゃう絵本です。字が読めるようになると、短い文(文字)なので、お子さんに読んでもらうのも楽しいと思います。絵も、不思議であったかいです。
ささき まき (著)
出版社:福音館書店
おばけが怖い!!という子どもたちにオススメです。色々な場所から変な名前の変なおばけがたくさん登場します。
登場の仕方も色々で、こんなおばけなら友達になりたいって思えちゃうかもしれません。この本は三男が保育園から毎週のように借りてきて、ズーっと読んでました。お話も短いので読みやすく、飽きない絵本です。
あきやま ただし (著)
出版社:鈴木出版
かわいいひつじのパンやさんが、美味しいパンを作ります。
お話がとてもリズミカルで、自分なりに歌いながら読んでます。お話にリズムがつくと、子どもたちもお話を覚えやすく、なんとなく体も動いてきます。
出来上がったパンを、「はいどーぞ」と配ると美味しそうに食べてくれます。子どもたちには、ちゃんと美味しいパンが見えているんですよぉ!
石津 ちひろ (著)
出版社:福音館書店
色々な果物がでてきます。果物が面白い表情とともに、とても楽しいリズミカルな言葉を投げかけます。そのことば遊びはなぜか頭に残り、ついつい口ずさんでしまいます。
このシリーズで、「おやおやおやさい」というのもありますが、こちらも同様に楽しめます。
野菜や果物の名前も楽しく覚えられますよ!
なかえ よしを (著), 上野 紀子 (イラスト)
出版社:ポプラ社
たくさんある、ねずみくんの絵本シリーズの一冊です。
小さなねずみくんの表情が、とても可愛くて、もちろん他に登場する動物たちも、その表情から気持ちをしっかり読み取れて、絵だけでもストーリーが伝わる、優しい絵本です。
ぜひぜひシリーズで読んでみてほしいです。
お子さん一人で楽しめるようになってきたらおすすめの本
飯田 力 (編集)
出版社:ベネッセコーポレーション
絵本というかおもちゃですが音楽が大好きだったのでお気に入りでした。歌詞の本がついていますが文字が読めるようになる前に…ボロボロに…使い倒しました。ベネッセの商品は品質が良いのか何年も酷使してもまったく壊れませんでした。現在も自分で音楽を選んで歌って踊って使っています。
さこ ももみ (イラスト)
出版社:学研プラス
食べることが大好き、食べ物に興味があるお子さんにお勧めの図鑑です。
パン・お寿司・レストラン・おかし・野菜・加工食品・ケーキなど、1つのカテゴリーに様々な種類があり名称と共に紹介されています。
特にスーパーマーケットで売っている商品は本物の写真がそのまま図鑑に載っていてここまでリアルなのは珍しいかもしれません。
きれいな写真で沢山掲載されているので親子で眺めているだけでも楽しいです。仕掛けもたくさんあるのでめくると更に発見があります。子供の好奇心を掻き立てる良い図鑑です。
トロル (著)
出版社:ポプラ社
“しつれいこかせていただきます ブー”がおもしろい。
めいろがすき。
お話の途中に迷路やお尻探しがあるのも楽しいようです。シリーズいろいろありますが、どれも好きでよく読んでいます。
出版社:ポプラ社
しゃしんがいっぱいなところがすき。
仮面ライダーが好きなのでよくみています。いろいろな仮面ライダーの名前を目にするうちに読めるカタカナも増えてきました。
仲田利津子 (監修)
出版社:ベネッセコーポレーション
なまえがわかるところがいい
タッチペンをあてると物の名前などが音声で確認できます。語彙を増やすのに役立ったように思います。タッチペンを使うタイプの本をSTで薦められたのを機会に購入しました。
くぼ たかし (著)
出版社:JULA出版局
たのしい!
絵本に付属のペンで絵を描いて、ティッシュペーパーなどで簡単に消してまた描ける、らくがきえほんです。
描いて消してと夢中で楽しんでいます。
子供の想像力に驚き、感心し、新たな発見ができる、親も楽しめる絵本です。
ユーフラテス (著)
出版社:小学館
めいろの本です。きもだめしのところは、いろいろなお化けがでてきます。すきな道をいけます。お化けやいっぱいイベントがあります。いろいろな音やどうぶつがいっぱいあります。おもしろいまちに行けます。やってみてください。
暑い夏に肝試しはいかがでしょう? お化け大好きなうちの子がお勧めするのはピタゴラスイッチのクリエイティブグループによる迷路本です。いるかともぐらがこんぐらがってできたかいぶつ、いぐらとたらすがきもだめしのもりへやってきました!あっちを選ぶとキャーッ、こっちを選ぶとゾーッ。見たことのあるお化けがたくさん出てくるよ。夏まつりやどうぶつえんの迷路もあります。
夢鶴 実 (監修)
出版社:主婦の友社
ちょっと折って絵を描く超簡単なものから、くんしょう、しゅりけん、ふうせん、やっこさん、鶴などよく知られたものまで55種類の折り紙の折り方が載っています。手順ごとのイラストが大きく分かりやすいようで、最初は親子で一緒に折っていましたが、そのうち本を見ながらひとりでどんどん作るようになりました。おかげで細かい作業がちょっと得意になったかもしれません。ただ、作り終わると興味を失うようで、親としては小さい作品がたくさんたまるのが困っています。同じシリーズの『やさしいあやとり』もお勧めです。
岩井 俊雄 (著)
出版社:紀伊國屋書店
面白い!
ずいぶん前に心理の先生に紹介していただいた本です。「上手く説明できなくてもなんとなくおかしいのはわかる」というのは大事だなと思います。 親も面白い!
子育てで役立った!おすすめしたい本
阿部 秀雄 (著)
出版社:リヨン社
小学校に就学する際に、療育の先生に紹介された本です。うちの子は「今日何があった」「こんな風に感じた」などの言葉によるコミュニケーションがまだできません。しかし空気読み力は抜群に長けた子なので、新しい環境で緊張して疲れたり不安だろうなと思っていました。親として家で何をしてあげられるかと相談したらこの「抱っこ法」の本を紹介されました。共働き家庭なのでたっぷり時間をかけてあげられないのですが、先生に「今はこれをするだけで十分だと思う」と言われました。読んでみてこれなら私にもできると気が楽になりました。寝る前に抱っこしてお話をする習慣を持ちましたがすごく幸せそうな顔をしています。抱っこをすることでお互いに気持ち良く1日を締めくくれ、安定した学校生活を送っています。
カモ (イラスト), 岩澤 寿美子 (監修)
出版社:KADOKAWA
言葉による指示だけだと伝わりずらいので、家庭生活でこの本を活用しています。学校生活で使えるものは担任の先生に共有し、統一した支援をしていただいています。私はイラストがとてもかわいい点が気に入っています。「こんなシーンのイラストが欲しいな…」と今までちょうど良いものが見つけられませんでしが、低価格で幅広く網羅してあるので助かります。言葉の表出が遅いうちの子は親に伝えるために本を持ってきて「これ!」とイラストを指さして伝えてきています。収録してあるイラストのデジタルデータはありませんが、コピーをとりやすいような装丁になっています。絵カードにする時は使いやすいです。スマートフォンで写真を撮り保存し、カードや本を持ち歩かない外出先でも使えるようにしています。
神成 美輝 (著), 百枝 義雄 (監修)
出版社:日本実業出版社
ベビー時期、作業療法の療育の待機期間に「早期療育したい…」という焦りの中で手に取った本です。モンテッソーリ教育は、もともと知的障害児へ感覚教育法を施し知的水準を上げるという効果が出たことにより生まれた教育法ですが、現代は幼児教育の現場で取り入れられています。ダウン症の専門書ではありませんが、そのような経緯があるためダウン症のある子供に照らし合わせても「なるほど」ということがわかりやすく書いてあります。うちの子は現在小学生ですが、今でも子育てに行き詰まったり頭が熱くなるとペラペラめくり、子供と距離を持ち「見守る」ことの大切さを思い出しています。この本の対象年齢は1歳~6歳くらいでしょうか。特にうちの子はとってもゆっくり成長しているので、ようやく今、本に書いてあることを試して「本当にそうだなぁ」と我が子の様子と見比べて確認できています。
発達段階で子供の中に何がおきているのかを正しく学び「見守り、ときどき助ける」ことで、障がい児の子育て思考から離れ、科学者のような視点で子育てができる本です。
いもと ようこ (著)
出版社:講談社
小さい時にずっと歌っていました
歌詞を読むのが嬉しかった!
いもとようこさんの絵が優しくて大好きです。本に対応したCDもあります。毎日毎日CDを聴きながら一緒に歌っていたので、ぼろぼろになりました。歌詞を指で辿りながら歌っているうちに、平仮名が読めるようになった気がします。 そのつながりか、今も歌詞をみながら音楽を聴くのがリラックスタイムだと言います。 ただ・・・すでに絶版みたいなのです。
デニス・マクガイア (著)
出版社:遠見書房
成長するにつれて、だんだん楽になってくるところもありますが新しい?にぶつかることも増えます。 久しぶりの真面目な(^_^;)本で、改めて「大抵の行動には理由があるのかも?」と思えました。少しですが今後の心構えにもなります。
たちばなかおる (著)
出版社:双葉社
きょうだい児のエピソードも参考になりました。
我が家のきょうだい児はいつのまにか愛読していて、言葉が通じにくかったり体が柔らかかったり何かあると「ユンタみたいだね」と笑っています。就学の時も「私と同じ学校じゃなくて、ユンタみたいに支援学級か支援学校なんでしょ」と。親が言って教えるより、素直に受け止めてくれたように思います。
ダウン症あるあるの漫画です。 この漫画を知ったのはうちの子が少し大きくなった後なので、あるある、あったあったとニヤニヤ、大笑い、いろいろなことを思い出して涙も出ました。 これから大きくなる子の周りの方にも、読んで元気が出る本なのでお勧めします。

いかがでしょうか。
おすすめの本を寄せてくださった皆さんのコメントを読むと、それぞれのご家庭でお子さんを大切に育てていらっしゃる様子がうかがえ、暖かい気持ちになりました。そして、子供の興味から選ぶ本は、子供が楽しく学べ、療育・教育にも役立つということに改めて気づかされました。
ご興味を持たれた方は是非手に取ってみてください。

その他のおすすめの本
シンプルな形と色で導かれる、インタラクティブ絵本です。直感的な楽しさもありつつ、繰り返し読むうちに理解を深めていけて、子の反応が興味深いです。