ダウン症児のお箸トレーニング ぽけっと事例集

ダウン症のお子さんの食事に関しての療育は、ST(言語聴覚療法)とOT(作業療法)があります。
STで摂食のリハビリ、OTで食具を使えるようになるまでの発達を見ていただく方が多いです。低緊張のダウン症児は、口の中の使い方、食具の使い方も丁寧にトレーニングし、まずは安全に食事ができることを目指します。
丸のみをしないように、のどに詰まらせないように、この2点は特に注意深く指導されます。

やがてほとんどのお子さんは一人でスプーンやフォークを使い安全に食べられるようになりますが、定型発達のお子さんと比較するとできるようになるのに少々時間がかかります。

一人で食べられるようになり、次に気になるのが「お箸」を使い始めるタイミング。
お箸トレーニングに関しては、療育で教わらず小学校に上がるお子さんもいらっしゃいます。

そこで今回は「お箸トレーニング」について、ぽけっとの会でアンケートを取ってみました。

お箸については完成形を求めるかも含めて考え方が様々だと思います。ただ、日本に住む親としては「美しく使えたらいいな…」と思う方も多いかもしれません。住む国が違ったら悩まないことでしょうね。

そういったことも含めて、皆さんのお箸トレーニング事情をお答えいただきました。

アンケートに回答した内訳

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お箸トレーニングをしましたか?

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お箸トレーニングに関する親御さんの考えがありましたら教えてください

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お箸トレーニングを始めたタイミングはいつ頃ですか?(複数選択可)

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お箸トレーニングを始めたきっかけを教えてください?

OTを受けていて、その流れで


スプーン、フォークが上手になったタイミングでOTの先生に促されました。


小学校の給食でお箸が使えるといいなと思ったので始めました。


お箸に興味を持ち始めたので。


小学校の給食で使用するため


フォークやスプーンだと食べにくそうにしてらいたからです


同じクラスの子が始めていたので、真似したい気持ちをバネにできるかと思って。


祖父に割り箸を割らずの状態でご飯を食べていたら 仏壇のご飯を食べてるのと同じことだ!と怒られ 本人も怒られたことがショックだったようで 進んでお箸を使う様になった。が、正しい持ち方は出来ていない。


姉の真似を、したがる


お箸トレーニングを完了した方は、完了した年齢を教えてください?

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お箸トレーニングについてお子さんは受け入れていますか?(トレーニング完了したお子さんはトレーニング中の時の状況をお答えください)

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お箸トレーニングで悩んでいることがありましたら教えてください。

薬指になかなか意識がいかない


早く食べたいので、練習が必要なお箸ではなく簡単に使える補助箸を使いたがる。なかなか上達しないので苦手意識を持ってしまって、練習を嫌がるようになった。


手が小さいので、普通のお箸はまだ難しいです。


普通の箸を使えれば便利なのだけれども、本人がそう思ってくれていない。なので、エジソン箸より先に進まないし、私も無理強いしても逆効果と思い、先に進められていない。 名前入りのかわいいお箸を用意して、モチベーションあげようとしたのだけれど、ママへの気遣いとして頑張ってくれるときもあるけど、本人のモチベーションにはなっていない。私がその箸をみて、これを使いこなせたらいいなと、妄想するばかり。これじゃいかんな。


使って良かったお箸を教えてください(商品名も可)。また、お箸以外に療育で使用したグッズもありましたら教えてください。(複数選択可)

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使おうと思っているお箸を教えてください。また、お箸以外に療育で使用したグッズもありましたら教えてください。(複数選択可)

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お箸トレーニングの時、OTの先生に関わってもらった方、現在関わってもらっている方に質問です。どれくらい関わってもらいましたか?頻度と期間を教えてください。

月一 一つ一つリングを取っていった


月に1〜2回くらい。あとはその都度、進捗状況を伝えてアドバイスをもらっていました。


月に一度30分ほど4歳から年長終わりまで


支援学校に通っているけれど、学校でもお箸の持ち方をやっておらず、うかつな私はそれをリクエストしてきていない。今度言ってみます!


練習するのにおすすめの食事メニューがあれば教えてください。

麺類は、フォークよりお箸のほうが食べやすいらしく、お箸がいいと所望します。


本当に最初は、小豆を買って練習したような記憶があるのですが、やわらかすぎなければ、お子さんの好きなものにしてあげるといいかもしれません。


本人の好物にしました。 使いにくいという思いより食べたいの気持ちが勝つため


豆などはゲーム感覚で楽しそうに掴んでいました。 通っていたこども園の担任の先生がとても熱心で良く見てもらっていました。


麺類 うちはとにかく麺が好きなので。


子供の大好物


まだ本格的なトレーニングはしていませんが、STで、消しゴム素材でできた野菜や果物をお箸でつまんで製氷器のマスに入れるというリハビリをしています。


お箸トレーニングに励んでいる親御さんにメッセージをお願いします。

学校給食は普通にお箸で食べているそうですが、家では使ったり嫌がったりです。気長に取り組もうと思っています。


もともと左利きで、鉛筆だけ右に変えたのですが、私は右利きなので教えるのにとても苦労しました。綺麗な使い方を望んでいましたが、いつからか楽な持ち方を覚えてしまい、今に至っています。何事も根気が必要ですが、親子して無理はしないのが1番かなと。でもちょっとでも出来たら、ものすごく褒めてあげてください。必ず次に繋がると思います。


メッセージと異なりますが… 学校でみんなと一緒にやることで、負けず嫌いの気持ちもあって、トレーニングといってもそこまで苦労はしなかったです。


我が子のお箸を使う姿、近いようで遠くもありました。 100均のおもちゃのスポンジを小さくちぎったり セロテープを丸めた物を お気に入りのお皿からお皿に箸で移す遊びを 本人の気が乗った時に一緒にやっていました。 遊びの延長で箸を持てるようになれると良いですね。


箸が使える様になると鉛筆を持つのも 持ち方が同じなので スムーズに移行出来ると聞きました。


うーん、気長にやりましょう!


正しい持ち方に拘らず 箸で食べる事が出来るという喜びを感じて欲しいです。


うちの子はお友達や姉の真似をしていつのまにか年長の時にはお箸を持って食べるようになりました。スプーンが持てればいいと、特に教えてはいません。が、トイレはまだまだ自立していません。なので、その子の得意、苦手、個性がかなりあると思います。のんびり見守っていくのもいいかと思います!


編集後記

お箸トレーニングについては、おおらかに構えていらっしゃるご家庭が多いようです。無理強いさせず、本人が「使いたい」という気持ちになるのを見計らってチャレンジされているようです。

初めてのお箸は、療育専用の道具というものよりも、健常のお子さんと同じメーカーの商品を使っている方が多いようです。

意外だったのが、麺類が練習におすすめのメニューであったこと。麺はすべるのでお箸だと食べにくいのかなと思っていたのですが、麺が大好きなダウン症のお子さんはとても多いので頷ける回答でした。好きなメニューで楽しく食事をすることが一番ですね。